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アーティスト・古舘健が紡ぐ音響的スペクタクル (後編)

VJから始まり、ライブ、シアター、サウンド/ビジュアルインスタレーション、デザイン、エレクトロニクス、果てにはテキスタイルにまでまたがる広範な活動を続ける古舘健(ふるだてけん)。音そのものを物理的に体験するための「ノイズ」、その発展形として、オーディオ・ビジュアル・ライブで音響的なスペクタクルを展開する、彼のルーツを探るインタビュー後編。


ノイズは「体験」するもの


── 古舘さんの音楽的なルーツは?

古舘
 そもそもはノイズ、ですね。特にいわゆるハーシュノイズと言われるタイプ。忘れもしない1999年1月。ICC(NTTインターコミュニケーションセンター)で観た「[email protected]」(https://hive.ntticc.or.jp/?s=mego&x=0&y=0) のインパクトが大きかったです。まだ、当時、会場で配られていたハンドアウトを持っています。そこでの体験が創作の基本になりました。みんなリンゴのマークのついたコンピューターを使っていて、ものすごく大きな音量で音が鳴って、それになんだかよくわからないコンピューターグラフィックが投影されている。それを観て、「ああ、僕はこれをやろう」と思ったことはよく覚えています。

ノイズって、いわゆる「音楽」と根本的に違う体験だと思ってるんですよね。メロディーとかリズムがある「普通」の音楽って、「理解」が可能なものなんですよね。それに対して「ノイズ」の音楽っていうのは、「うるさい」と思う音量のその向こう側のフィジカルで生理的な知覚の限界を試しているようなものだと思っています。ノイズ奏者MERZBOWのライブを見に行って、音によって目の前の柱が曲がっているように感じたこともありますよ(笑)。
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──「ノイズ」を「体験」と考えるとわかりやすそうですね。

古舘
 音そのものを物理的に体験するっていう言い方をしたら良いのかな。だから温泉とか、ジェットコースターとか、マッサージとか、むしろそういうのに近い(笑)。

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