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辺境のキュレーター「Purveyors」小林宏明が繋げるもの (前編)

2017年3月、赤城山と渡良瀬川の自然に抱かれた群馬県桐生市に、アウトドアセレクトショップの「Purveyors」(パーヴェイヤーズ)はオープンした。一見すると倉庫のように見える無骨な外観だが、一歩店内に足を踏み入れると、ヴィンテージランプなどの様々な異国の調度品や大型動物の剥製、そしてアウトドアギアやウェアが同居する、独特の雰囲気のヒップな空間が広がっている。その世界観や徹底されたキュレーションが話題を呼び、瞬く間に“名店”と称される存在となった。そのオーナー兼キュレーターである小林宏明に、その挑戦について訊いた。
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東京にもない店をつくる


── Purveyorsをオープンしたそもそもの意図はなんだったのでしょうか。

小林
 多くの縁や偶然があった事も大きいのですが、東京中心の消費活動に疑念を抱いていたからというのも大きな理由です。東京にはプロフェッショナルや新しいクリエイティブが集まっており、その才能たちによる専門店がたくさんありますが、一局集中し過ぎていると感じていて。地方には東京の流行が波及して、スタイルを模倣した店が一時的には増えるのですが、そういう店にはコンセプトもストーリーもない。一時的に流行しても、結局淘汰されてしまうんです。一方で、今の時代に新しく作ってずっと残り続けるのは、当たり前のようですが「東京にもない」ようなとびきり魅力的な店。そんな店をゼロから作ってみたかったのが始まりです。

── 鉄工所だった建物をまるまる利用したPurveyorsは、まさに東京にはないお店ですね。

小林
 東京にはハイスペックなお店はたくさんありますが、Purveyorsはあらゆる意味で違う方向のキャラクター付けをしています。まず、うちの店は商品の検索性が低い。店の面積は広く、商品の点数も多いのですが、ジャンルごとの陳列にはしていません。これは、Purveyorsならではの使い方や、他のアイテムとの組み合わせでストーリーとして提案したいから。例えば、ある本を単体でネット通販で購入すると、その本とだけ向き合うことになりますが、内沼晋太郎さんのようなブックコーディネーターの手によってキュレーションされると、同じ本でも違ったストーリーに中に置かれることになり、より立体的な読書体験ができるはず。同じように、僕たちもPurveyorsの美意識や価値観によって、うちの店でしかできない購入体験をしてもらえるように設計しています。

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